渡辺悠斗さんが「第6回 医療創生アイデアコンテスト」で最優秀賞(文部科学大臣賞)を受賞
創発科学研究科1年の渡辺悠斗さんが、ふくしま医療機器開発支援センター主催「第6回 医療創生アイデアコンテスト」において、最優秀賞となる文部科学大臣賞を受賞しました。本コンテストは、高校生以上の学生を対象に、医療?介護分野で助けを必要とする人々の生活を支える新たなアイデアを募る全国規模の企画で、今回の応募総数は230件にのぼりました。
渡辺さんの提案は、喉頭癌などで声帯を摘出し発声が難しくなった方のための、新しい発声インターフェースです。従来の電気式人工喉頭は、発声が単調で抑揚をつけにくいことに加え、使用時に片手が常に塞がってしまうという課題がありました。こうした不便を解消するため、渡辺さんは研究を重ね、ハンズフリーで使用でき、手の上下左右の動きによって抑揚や強弱を自在に表現できるインターフェースを開発しました。
開発の過程では、香川大学医学部の医師から助言をいただき、実際の患者さんの状況や現場での使用に関する理解を深めることができました。いただいたアドバイスをもとに改良を重ねたことで、プロトタイプは実際に音声を出力できる完成度に到達し、当日のプレゼンテーションではデモンストレーションも行われました。医療現場の知見を踏まえた実践的なアプローチと、ユーザーの生活に寄り添ったデザインが高く評価され、最優秀賞に選出されました。
渡辺悠斗さんの受賞コメント
今回、医療機器メーカーが一堂に会する一大イベントにおいて、このような名誉ある賞をいただけたことを大変光栄に感じています。特に、今回は事前に医療関係者の方々からアドバイスをいただく機会を設けていただき、実際に発声可能なプロトタイプを製作して当日のプレゼンに臨んだこともあり、自身の研究としても一歩前進することができました。受賞をきっかけに様々な方々とつながりを持てたことにおいても、この賞の意義を実感しています。今後も、コンテストのテーマでもあった「助けを必要とする人の生活を支える」という取り組みを続けていきたいと考えています。
今回の受賞は、大場研究室が推進する「医療 × デザイン」の教育?研究の成果であり、医学部との連携によってさらに広がる今後の展開が期待されます。
日時:2025年10月29日
第6回医療創生アイデアコンテスト
指導教員 大場 晴夫











